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TourDiary -2004-

アローダンスコミュニケーション・レジデンシーインパリ

12月12日(日曜)晴れ

メグと共に1週間溜まった洗濯物をする為コインランドリーへ走る。洗濯4ユーロ乾燥1ユーロ10分を4回使う 計8ユーロ 安くないな。その後今行われている公演の情報を直接得る為、テアトルデラビル・シャトレ・ベルトンポワレ・ポンピドー・オペラと回る。途中道すがらパリ在住日本人のマダムに頼まれ、物件を下見する為の用心棒を頼まれてついて行く。(こんな事初体験である)

帰りオペラ界隈のジャパ食で今回初のジャパ食カツカレーを食す。


12月13日(月曜)曇り

午後からレジデンシーが行われるLa Ferme du Buisson へ出向く。(RER Aラインの東部)
ディレクターのジェロームと再会。ビジュアル部門・シネマ部門・パフォーミングアーツ部門と3つのセクションに分かれたアートセンターである。その一つ一つ建物が分かれており、我々はパフォーミングアーツ部門の建物の一つを提供してもらっているのである。広さは、京都で言えばアートコンプレックスのスペース丸ごと独り占め状態である。

午後20:30
Cite Universitaire にてピエール・Droulers ベルギー在住のコレオグラファーの作品を見に行く、舞台上に所狭しと置かれた舞台装置、畳強の大きさの板(白・黒数枚)を立てかけてあり、それを持ち上げたり壁にしたり、透明に透けた壁(畳強1枚)、持ち運び可能なライト、滑り台のような台、2人がぎりぎり動けるぐらいのお立ち台(2)、ダイニングルームにありそうな長いテーブルがステージの前に1つ、椅子、洋服賭けと衣装などなど。アイディアがアイディアだけに終わって作品として何が言いたいのかがぼやけているように思った。別に言いたい事ははっきりなくてもそれなりにインパクトがあればそれはそれでありなのですが・・・。全体を通してダンサーはそれぞれ素晴らしいのにコンセプトばかりに固執していてあまり楽しめなかった。


12月14日(火曜)晴れ

ダンス公演、ダンス作品のリサーチをする為、午後からCND(国立ダンスセンター)へ行く。メトロ番線Hoche駅
ここにはフランス国内で行われた公演のビデオが殆ど全て完備されており、自由に備え付けのビデオで観る事が出来る様になっております。スタジオも11あり、その中のグランドスタジオ(2つ)には客席もあり公演もやっております。ダンス関係の方でパリにお越しの際は是非お試し下さいませ。ガイドブックとかには載っていないので在住の人以外はあまり知られていないと思われます。(ちなみに2001年のアローのパリ公演もDVDになって置いてありましたよん)マギーマラン、ファトミ・ラムール、デュクフレ、マツエックなどなど走り見る。その後ミーティングの為移動、(カタリス)スミコと再会、7ヶ月のお腹を抱え出迎えてくれる。ダイアリー画像可愛い未来のプティママ、プリママとなる予定である。ただでさえしんどそうな身体なのに、あらん限りのエネルギーを使って熱く今回のプロジェクトの現状・未来などを語ってくれる。ミーティング終了後またまたCNDへとんぼ返りし、マダガスカルから来たコンテンポラリーヒップホップのカンパニーの公演を見る。(その途中メトロの中でダンサー友達のベルトランと偶然出会う。彼もCNDへ公演を見に行く途中であったようなので一緒に行く。彼は1ヶ月ロングラン公演している作品に出演中、今日はたまたまoff日で明日も本番があると言う事なので、明日彼の出演する公演を見に行く約束をする)

20:30開演 やるやるマダガスカル!本来持っている彼らの身体性がヒップホップの動きに乗移りとてつもないエネルギーとして発ち現れていた。ロック、ポップ、ブレイク、アニメーションなどの動きに、ドラム、ディジュリジュ、アンビエント系の音楽がはまっていた。目で見たというより身体で感じたといったものであった。スカッとしたさわやか感が残りました。(シリアス・コミカル)ちょっとベタな感もありましたが、関西風味といえばいいかも。


12月15日(水曜)

13:00 リハーサル (アンジェラ、ラファエロはソウルに滞在中)
その後CNDへ行き、メグ推薦のマギーマラン「ランダム」(74分)を観る。
アイディアをアイディアだけで終わらせず、エンターテイメントとアートが深く混在する作品として成り立たせるところは流石だと思った。キーワードは「声」「リズム」「社交」
その後ベルトランが出演中の公演へ。チケットは売切れの為、ベルトランが裏工作を施しフリーで鑑賞。ラ・ビレット科学博物館の近くにあるイベントであるせいか、テーマは「宇宙」。そしてキーワードは「無重力」「水中」「空中」。で動きは全般的にスローのコンタクトなど主にインプロでの構成。正直言って途中ぐらいから眠くなる。ベルトランは私の尊敬するダンサーであるので、彼が動き出すと見入る事が出来るのであるが、あまり彼の良さが生かされていないのが残念であった。以前見せてもらったマルセイユでのソロ(夏のガーデンでのリハーサル)は素晴らしかった。もう一度彼のソロが見たいと強く思った。コンセプチャルアートとしては面白いのであるが、中途半端にダンスを使っているように見えて、全体の作品として見るとすごく表面的であるという印象である。


12月16日(木曜)雨

今日帰ってくるアンジェラ、ラファエロとアパートメントをバトンタッチする為、歩いて3分のサクレクール界隈を散策し時間を過ごす。ミューゼ・モンマルトルへ行く。小さいながらも落ち着いた建物でゆっくり過ごせそうなのであるが、たまたま幼稚園(?)の団体鑑賞と出くわし、にぎやかな鑑賞会となりました。
いつまでたっても彼らは帰って来ず連絡もとれないので、アンソフィーのガイドの下、次の宿泊先へ移動開始。RERラインAの東部(ディズニーランドの手前)ちょっと郊外である。河原町がパリのセンターとすると、長岡天神か高槻あたりかな。

案の定彼らの乗る飛行機は大幅に遅れておりました。


12月17日(金曜)風雨

午後 スタジオで待ちに待ったアンジェラ、ラファエロと再会。メグは初対面。
旅の疲れを微塵も出さず、早速新しいアイディアを探り合う。
6月にパリでやったものとはまったく別物で、少々のとまどいがありましたが、今回のアイディアは以前のものよりどちらかというとダンスよりでよりシンプルなものであります。

が今回はリハーサルの詳細はあえて書きませんのでご了承を、もし興味のある方は是非ご一報下さい、話によっては詳しくお話致します。

19:00 CNDでの公演(Nathalie Pernette)を見に行く。ワークインプログレスであった。 前半は振付師ナタリーがマイクを持ってパートパートの解説をし、後半通して見せるという方式。出演者も始まる前から舞台上でストレッチなどをしている、その中に・・・アーノルド発見!(彼とはミッシェルの作品をメグ同様2年に亘り共に踊った仲間である)知らなかった。お互い気づくや否や舞台の始まる前に再会の抱擁。
モーツアルトの「魔笛」をHIPHOPとコンテンポラリーの動きをフュージョンさせコミカルに創作してある。今までにもフランスで「オセロ」「カルメン」などHIPHOPで作っているものを観て驚きましたが、これも負けず劣らずユニークなものであります。振付のセンス良し。テンポ、キャラクター、コスチュームがおしゃれにキュートに展開していくエンターテイメント。深く心に響くかは疑問ですが、観て楽しめる作品である。


12月18日(土曜)雨

午後リハーサル
その後、ポンピドー横のカフェ・ブーブーでクリストフと再会。(噂ではゲイの待合せ場所)
シャトレ劇場のオペラに出演中の彼とは、やはりミッシェルとの繋がりのあるダンサーである(その昔ローランプティのバレエ団で日本にも3回来た事があるらしい)。マルセイユで3週間彼のフラットを借りたり、チュニジアへ作品は別であるけど一緒にツアーした仲である。楽しく歓談。(主にクリストフがしゃべりっぱなし)


12月19日(日曜)曇り

午後リハーサル
その後、昨日クリストフお薦め映画の中の一つである「珈琲時光」を見に行く。一青よう、浅野忠信主演、小津安二郎にささげるイメージ。問題は浅くは無いのであるが、何事もなく日常がたんたんと過ぎていく映像と主人公、何も言えない現代日本の父像など、しっとりと味わい深く見れる作品である。が近年ハリウッド映画に馴らされている現代のパリジャンにはしんどいのか、隣の若いカップルの男性は殆ど目を閉じて他の夢を見ていたようでした。


12月20日(月曜)晴れ

午後リハーサル
その後 アンソフィーに従い、4人でTheatre Vanves へ我らの仕事のプレゼンをする為に出掛ける。大学講師であったアンジェラが流暢なフランス語で進行する。
その後スミコ宅にて夕食をご馳走になる。(ファブリスとの再会)


12月21日(火曜)曇り

午後リハーサル
スタジオのディレクター・ジェーロームに創作の一部を見せる。
(今の段階では期待以上に満足しているもよう)
パリ経由でホテルに戻る。(遠回りやがな)


12月22日(水曜)雨

午後リハーサル
昨日メグの出したアイディアのグラフィックをプログラムする為、彼らはフラットでの作業に勤しむ。
その後、メグのファンであるフランス人フレデリックさんの紹介で、シャイヨー宮にある劇場(Theatre National De Chaillot)市川海老蔵の襲名公演が行われたところで重要なポストで働いているAYAさんと会う。実は彼女2001年のパリCNDでの我らの出た公演を見てくれて舞台後お話した事のある人でした。今年の6月にもCNDのオープニングパフォーマンスで私を見かけたそうである。その彼女から演劇論をパリで3年に亘って勉強している横山さんを紹介される。そして彼女の配慮で今行われているフィリップ・ドュクフレの「IIRIS」を鑑賞。
いつもながらのおしゃれでセンス良い映像をふんだんに盛り込んだ大スペクタクル。ライブミュージック(エレキギターを弾き語るマダム1人)それが中々良いのである。北欧、東洋、アンビエント、など、声とエレキギターとマシーンで様々なイメージを作り出す相当いかしたミュージシャンです。(Claire Touzi Dit Terzi)
フィリップが仲間内に言っている「ダンスはサイド部門(二の次)」らしく、「身体の利く器用なダンサーを使ってれば、ある程度見栄えもきくし大丈夫でしょ」という風にダンスのシーンを作られているような雑なイメージがありました、特にユニゾン。
がその中でも目を引いたダンサーが1人。夏のペリギューでソロ公演をしていたダンサーJean-Baptiste Andreです。彼の動きと雰囲気には思わず引き込まれていきました。舞台後AYAさんから、フィリップ、Jean-Baptiste、イトーカオリさん(凄く身体のきく器用でユニークなダンサー)を紹介してもらう。カオリさんは話すととても気さくな子で、アルビンエイリーでも勉強したそうである。ちなみに私がアルビンでダンスしている頃、彼女は10歳。ジャンジャン!    ご招待ありがとうAYAさん。


12月23日(木曜)曇り時々雨

スーパーマーケットで15ユーロを紛失!ショック!!(約10分心の暗闇を彷徨う)
午後リハーサル 今まで出したアイディアを繋げてみる。(またどう変化するかは分かりませんが、現状としての20分)
その後アンラファのフラットでアンジェラ特性リゾットをご馳走になる。おかわりを何度もするセボン!


12月24日(金曜)曇り時々雨

何時何処で聞き知ったか定かではありませんが、「パリの憂鬱」とはよく言ったものです。ほんと憂鬱になります、独り傷心旅行など冬にパリなんかでしたら、これ以上落ち込む事ないっちゅうぐらい落ち込んで、這い上がらずにはおれないでしょう。ですからある意味お薦めですね「冬のパリでの傷心旅行」。そういえばマルセイユからの飛行中見下ろした空には、湖の様に張りついた雲が隙間なくこびり付く様に漂っておりました。
午後リハーサル
その後パリへ。クリスマスイブで街は大賑わいしているのかと思いきや、殆どのお店は閉まっており、なんだか寂しいイブの夜であった。
日本では明日スタジオDO ONEの発表会である。例によって振付はしましたが、本番は御免なさい状態の公演です。日本へ励ましの電話を入れる。(留守電)「皆しっかりねー、がんばってねー、見れなくて御免なさいねー」


12月25日(土曜)曇り

ダイアリー画像こちらのクリスマスは日本のお正月の様なもので家族と共に静かに過ごすものである。
従って、店も殆どが閉まっており、何処にも行く所がない異邦人である我ら4人を気遣ってスミコ宅にてクリスマスパーティーを開いてくれる。スミコさんが身重の為、旦那のファブリスがエプロンをお茶目に着こなし、大活躍で料理にお酌にと働いておりました。その彼の御自慢の鹿肉を頂く。野生のものらしく凄く濃い味が致しました。セボン!12:30から約20:30ぐらいまでお邪魔する。プレゼントも頂き私にとって素晴らしいクリスマスとなりました。律儀にも風邪をひいていたスミコさんから風邪の菌まで頂戴する。


12月26日(日曜)晴れ

ダイアリー画像少々風邪気味ではあるが、家にこもる程ではないので、最後の日曜日を満喫する為パリへ出る。近代美術館・パレドトーキョー・ジュンク堂書店に出向くも閉まっている「ガクッ」。結局ポンピドーセンターで10ロのフリーパスを買い「音楽と光」展、Jean Helion展、近代美術展を見て過ごす。その途中、竹之内敦(今世界中を旅して踊っている舞踏家の友達)から電話が入る。三年ぶりである。ポンピドー前のカフェで待ち合わせして、中華料理を食べながらお互いのこれまでしてきた仕事、これからの事、舞踏について、舞踏とコンテンポラリー、舞踏と演劇などの違いと接点、日本のダンス事情、ヨーロッパのダンス事情など時間を忘れて語らう。同い年で現役を続けている人は彼ぐらいなので、今回彼と会い話せた事はとても励みになりました、俺もがんばろっと!


12月27日(月曜)曇り

風邪気味の中リハーサルへ。
今日は川北さんという、ダンス関係の記事を書く人がレジデンス場所まで来ての取材である。昨年11月のパリ公演に来てくれていた人で一年振りの再会である。とてもものをはっきりとおっしゃる(「ズバッと斬る」という表現が当てはまるかも)方でユニークだし、バイタリティーいっぱいだし、面白くて楽しい、私にとって「元気のでるインタビュー」となりました。実は川北さんもダンサーであり、ソロで活動しながら新しい試みをしているアーティストであります。来年2月に日本のダンス関係の本にこの事が掲載されるそうです。詳細が分かり次第お知らせします。(雑誌名など)
余談:今我々の滞在しているホテルはパリから東部ハイウエイ沿いにあるホテルで、RERを下りてからバスに乗り換えて5分、もしくは歩いて30分の場所にあります。そのせいか観光客はまずいなく、フランス人の家族連れが殆どなのです(ディズニーランド方面である)。その為いやでも朝食の時間になるとフランス人の家庭事情のようなものがおぼろげながら見えてくるのです。こちらの人は子供のしつけに関しては、かなり厳しいという印象を持っておりましたが、やっぱそれぞれのパーソナリティーなのでしょうか、高校生ぐらいの子にパンやコーヒーの支度を全部やってあげている親、年端も行かない子供なのにすべて自分でやらせる親、様々です。人様の教育事情に口を出すつもりはありませんが、子供の頃のしつけは肝心要の大仕事だと思いまーす。


12月28日(火曜)雨のち曇り時々晴れ

昨日のリハで私の風邪がうつったらしく、今日は朝からメグが熱を出し私もまだ体調不調の為、リハーサルキャンセルの電話をアンラファにする。するとアンジェラから「何か食べ物とか薬とか買ってホテルまで行くよ、遠慮せずに何でも言ってね」と優しい言葉をかけてくれる。その言葉を胸に深く刻みつつ「大丈夫!ノープロブレム!」と返事をする。
リハーサルをキャンセルした負い目と、何でこの年末28日に休みじゃないの?・・・っという思いが交差する複雑な一日であった。・・・がしかし「明日は絶対リハに行くぞー」と意気込む1人のもう若くは無いけど若そに見えるええ年こいた子供っぽいおっさんであった。


12月29日(水曜)曇り

午後からスミコ、ファブリスがリハーサルを見学に来る。
こんなときに限ってラファエロがコンピューターのバッテリーを忘れてしまう。が
結果!残っていたバッテリーでなんとかクリア!
現状をもって期待してくれている模様である。「フー」


12月30日(木曜)曇り時々雨

最後のリハーサル
終了後 アンラファのフラットにてお別れディナー(アンソフィーも一緒)


12月31日(金曜)晴れ

帰国、機上でいつの間にか年を越す。(期待した年越しイベントなど何処へやらですわ)
大韓航空の為、ソウルで乗換。その時滑走路にて、まあるくマッカッカな初日の出を拝む!幸先いいぞー!!元旦に初日の出を拝むなんて、私の人生の中で1度あったかどうかぐらいの希少な出来事です。
・・・がしかし、ソウルから関空までの飛行でこれまた何十年か振りで飛行機に酔い、関空のトイレにてソウルで食したピビンバを全て吐き出し、気分最悪で岐路に着く。
帰宅後も風邪と酔いでしばらく寝る。「トホホホホである」

という具合にやって参りましたツアー&レジデンス。日本ではすっかり忘れられておりますが、まだまだ活動しておりますゆえ、これからも宜しくお願い致します。
この場をお借りしまして「あけましておめでとうございます!!本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます」ではまたの機会にて・・・・・。  

2005年1月4日火曜 曇り ヤザキタケシ

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